駅のホームですれちがったあの女の子,どこかで会ったことある…,どこかでとっても密なやり取りをしたような…,どこかで社会的な繋がりを持ったような…。そうだ,ウェプ・オークションで,彼女の商品を買ったのが,すべての始まりだった…。
AOL社は,商品の買い手をグループにまとめてディスカウントを受けられるようにするグループ購入サービスの開始を予定している。また,ヤフー社も今年下半期からの開始を計画している。この動きは,オークションと並ぶ新しい電子商取引のモデルとなるだろう。
ヤフー・オークションの盛況ぶりは手に取るようにわかる。なにより,商品の数の増え方が目に付く。どんな人でも,自分が本当に欲しいものを,安く買いたい。当たり前といえば当たり前のことだが,それをもっとも簡単に実現する手段として,ウェブ上のオークションはあった。
ウェブ・オークションに参加していて気になるのは,買い手だったら売り手,売り手だったら買い手との,非常に密な関係だ。決して出会うはずがなかった人との,ひょんな繋がり。それもお金が間にあるからいやがおうにも社会的な関係となる(住所などを知ることになるし,興味のある分野が同じであることが多い)。物の売買と云う社会的な関係の成立が,ウェブという曖昧模糊な中で築かれていく不思議さもある。おんなじ商品が欲しくって,ちょっとでも価格を下げるために手を取るグループ購入サービスも,同じような妙な「繋がり」を感じさせてくれそうだ。人は,繋がりのための,新しいフィールドを,手に入れた。
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